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~スクリューキャップについて~


コルク or スクリューキャップ!?? コルク or スクリューキャップ!?? 現在、オーストラリア、ニュージーランドを中心に、コルクの代わりにスクリューキャップを使用するワインが急増しています。 スクリューキャップのワインって、何だか安っぽい・・・。 そんなイメージを持たれた方も少なくないと思います。 他の清涼飲料などと同じく「ひねってプシュッ」では、何だかロマンに 欠けるといいますか、あっけなくて拍子抜けしてしまう気がするのも致し方ないことかと思います。 ワインオープナーでスマートにコルク栓を抜く。 これって、ワインをいただく上での、ひとつの儀式にすらなっているかのようですね。いえ、儀式です、儀式。 時間の扉を開けるかのような、その瞬間は、造り手さんへの感謝、そしてその瞬間を共有できることへの喜びの儀式・・・。 そんな瞬間の代償とあらば、その陰には経費節減があるの か!? ・・・と思いきや、スクリューキャップは、実はコルクよりコストがかかるのだそうです(!)。 では、コルク樫が足りなくなっているのかしら? 自然保護の為?? スクリューキャップの研究は30年も前からのことといいます。 では、何故スクリューキャップなのでしょうか? 現在コルクを使用しているワインの2-5%は、ブジョネ(コルク・ダメージのあるもの)だと言われています。  コルクは、コルク樫の表皮を剥がし、天日干しにした後、煮沸して柔らかくし、円筒形に打ち抜かれ、漂白、洗浄、乾燥を経て作られます。 漂白後の洗浄が不十分で残留していたり、乾燥が不十分でバクテリアが発生したりすることがあるのです。  残留漂白剤の成分は、コルク内にある成分ポリフェノールと反応してトリクロロフェノールという成分を生み、これがまた、不十分な乾燥のために発生したバクテリア、つまりカビと反応してTCA(トリ・クロロ・アニゾール)を作り出してしまうのです。 TCAは、人体に害はありませんが、ワインには、大敵(!)。カビやオガクズ、ホコリ、湿った段ボール等のような不快臭を招き、フレッシュな香りや果実味を奪ってしまうのです。 味には定評があるはずのワインなのに・・・。何だか不快なニオイがしたり、バランスが悪かったりしたことはありませんか?それはワインのせいではなく、コルクに原因があったのです。 この不良コルクの問題解決策が、スクリューキャップなのです。 何故、オーストラリア、ニュージーランドに多いの? TCAによる不快臭は、フルーティーでオークを使わないワインほど顕著です。というのも、オガクズや湿った段ボール臭のようなニオイは、オークを使ったワインの樽の香りにある程度隠れてしまうことがあるけれど、樽を使わないリースリングやソーヴィニョン・ブランなどでのクレームがより多かったのでした。 スクリューを最初に採用したのは、屈指のリースリングの産地、オーストラリア・クレア・ヴァレーだそうですが、なるほど頷けます。 クレア・ヴァレーをはじめ、2000年頃から、ニュージーランド・マルボロー地区~ニュージーランド全体へとスクリューキャップの採用が普及しました。
 
 
スクリューキャップって? スクリューキャップの研究は、30年も前から始まっており、長期貯蔵されたワインがいたってよいコンディションで熟成していることが立証されています。スクリューキャップの内側は、食品安全基準に適合したポリマー(重合体)で覆われていて、ワインの香りや味には全く影響与 えません。「コルクの微かな隙間からワインが呼吸している」といわれることがありますが、これは間違った認識で、微かに蒸発したり液漏れがあったりすることこそあれ、コルクの方がよいという研究結果はありません。むしろ、ワインを貯蔵する際、ボトルを寝かせておく必要もな くなるのです。 密閉性に優れ、安心安全な熟成が遂げられ、オープナーの必要もなく、どこでも誰でも簡単に開栓できるスクリューキャップは、まさに合理的で優れものなのでした。 いかがですか。スクリューキャップは、品質管理の味方だったと言う訳です。   しかしながら、なかなか先入観は拭えない・・とのご意見、いや、ごもっとも。 広く世間に受け入れられるまでにはもう少し時間が掛りそうです。

 


 

 

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