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■「ドイツ/デュッセルドルフの見本市」


“2006ProWein” に行ってきました。 byソムリエール原田 ドイツ有数の商業都市デュッセルドルフはフランクフルト空港から北西へ車で約3時間、この街にあるメッセ会場で年1回開催される“ProWein(プロワイン)”は、世界46ケ国、約3,000社が出展されるワインの国際見本市です。 到着した3月25日からサマータイムになったドイツは、寒さを覚悟(?)していたにもかかわらず、日本より暖かい過ごしやすい気候でした。  6つのホールに分かれたとても広い会場は、やはり地元ドイツのブースが一番多く、2日間の見学もドイツに搾って回ることにしました。 案内役は浅野秀樹さんといって、ラインヘッセンで1haのブドウ畑を借りてワイナリーを経営されている若手醸造家の方で、ドイツ語はもちろんワインにも詳しい、心強い味方です。 まずは、ドイツワイン基金のブースで、総裁のゲーリングさんと2006年のワイン女王シルビアさんから歓迎のご挨拶をいただき、会場を散策することに…

ドイツワインと言えば、甘くて飲みやすい、エチケットの花文字が読みにくい、デザインがダサイ(ドイツ人が言ってたので…)といった先入観がありますが、こんなイメージを払拭すべく、また、今の辛口ワイン嗜好に向けて、辛口(トロッケン・ハルプトロッケン)のプロモーションに力を入れている所が多かったように思います。 実は、以前からドイツ国内で消費される白ワインはほとんど辛口で、どのブースでも国内用のワインを試飲すると、トロッケンよりさらに甘味のない、舌がチクチクするくらいの辛口でした。 実際、今は生産量の57%は辛口なのです。 ドイツの方に「デザートワインはよく飲まれるのですか?」とお聞きしたところ、「アイスワインなんて結婚式のワインだよ!」と言われました。そのくらいデザートワインは非日常的なもののようです。 (余談ですが、ドイツと言えば「ビール」と思われがちですが、南のバイエルン地方を除いてはワインの消費量の方が多いそうです。)  エチケットのコンテストで入賞したワインが展示してあるコーナーもありましたが、かなりモダンで斬新なデザインのボトルが並んでいました。 ワインの輸出量が10年前と比べると4割も減少している現状の中で、伝統を重んじながらも、いろいろな改革が行われようとしています。


ブドウ品種の王者はリースリング、世界中の栽培面積の60%がドイツにあります。 (写真を撮るときもワイン関係者は「リ~~スリング!」と言ってシャッターを押していました。) 各ブースを回り、何十種類いや百以上?のリースリングを試飲して、甘味の段階はもちろんのこと、地域ごとの特徴、ドイツワインでは今まであまり意識していなかった、“畑”の特性がわかる体験ができました。 爽やかなイメージのリースリングですが、熟成ものやテロワールを反映させて濃厚に仕上がったものなどでは、肉料理にも合わせられることも知り、幅の広さを実感しました。  そんな中、今回の目的のひとつ「おいしい赤ワインを探す」を果たすため、赤ワインに力を入れている生産者をいろいろと試飲して、お気に入りを見つけることができました! “Weingut STEITS”というラインヘッセンのニアシュタインにある家族経営のワイナリーの2003年シュペトブルグンダーです。 ドイツでは前述の世界中の辛口ワイン嗜好に合わせて、赤ワイン用のブドウ栽培面積も増え続けて、1990年は16%だったのが現在では倍以上の34%までになっています。 “STEITS”のクリスチャンさんも数年前から赤ワインを造り始め、あの猛暑だった2003年は北緯50度のドイツの黒ブドウにとっては最良の年で、素晴らしい赤ワインができたそうです。 グラスに注ぐと、まずその濃い色調に驚き、オークや動物的な香りは全くなく、木イチゴやフランボワーズ、ラズベリーなどのピュアで繊細な赤い果物のニュアンスの味わいです。まさしくピノ好きの私好み… 生産量も少なく、現在は日本に未入荷とのことですが、今年の夏頃、浅野さんのワイナリーのワインと一緒のコンテナに載せるかも…との情報がありますので、その時は私どもGrand Vinでもご紹介できたらと思っています。 ご期待ください。

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