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■「フランスワイン紀行 vol.2」


「Domaine des Comtes Lafon」 by ソムリエール原田

7月5日  マコンから車で北へ1時間30分、ドメーヌ・デ・コント・ラフォンの本拠地、ムルソー村に到着。  ラフォンのワイナリーは大きな木の扉にとんがり屋根、窓辺には花が飾られて周りの景色に溶けこんだ、とても素朴な外観です。駐車場をはさんで向かい合うように当主ドミニクさんのご両親の家があり、おふたり揃って私たちを出迎えてくださいました。(ドミニクさんはお父さん似なんだー・・・)  伯爵家である「Domaine des Comtes Lafon」(ドメーヌ・デ・コント・ラフォン)は1868年、ドミニクさんの曾祖父にあたるジュール・ラフォン氏によって設立されました。貴族としてはとても珍しく、ラフォン一家はブルゴーニュのこのムルソー村に住み、自ら畑を管理しています。 4代目のドミニクさんは1982年にワイン造りを引き継ぎ、1987年からは醸造責任者になり、またその頃から国際的に高い評価を得るようになりました。そして、現在もその評価を維持し続けているのです。


さて、ワイナリーをひととおり見学したあと、ご自慢の地下カーヴで待ちに待ったテイスティングです。 2001 Volnay Santenots du Milieu(ヴォルネイ・サントノ・デュ・ミリュ)  デュ・ミリュは4haの1級畑。(ヴォルネイはムルソーの隣の村で、サントノで造られる赤ワインはA.C.ヴォルネイ、白ワインはA.C.ムルソーになります。ちょっと複雑・・・) 2001年は口に含むと、たっぷりのブーケが広がりとてもエレガント。木の実の風味も心地よい感じ。 2002 Volnay Santenots du Milieu  2週間前にビン詰めしたばかり。ドミニクさんに言わせると、「ビン詰め後、半年~1年は反抗期。」だそうです。 若々しいタンニンがはじけて、典型的なブルゴーニュスタイル。 2003 Volnay Santenots du Milieu  (まだビン詰めされていないのに、テイスティングのためにわざわざ2003年のエチケットを貼って持って来てくださいました。) とてもボリューム感があるけれど、本来の果実香はあまり感じられない。 2001 Meursault  3つの畑とペリエールの若木をブレンドしている。ビン詰めは2003年1月。 程よい樽香が心地よく鼻にぬけ、長い余韻、思わずうっとり・・・ 2002 Meursault  2週間前にビン詰め。若さゆえの柑橘系の香りとミネラル分が強く感じられる。(そうそう、まだ反抗期なんだった!) 2002 Meursault Clos de la Barre(クロ・ド・ラ・バール)  ワイナリーの真後ろにある2.1haのモノポール(単独所有)の畑、なんと、明日ビン詰めするそうです。 酸がとてもフレッシュ、トーストや酵母のアロマがプンプン!これが熟成でまろやかになるなんて、不思議・・・ 2002 Meursault Charmes(シャルム)  1.7haの広い畑。あさってビン詰め予定。 2002 Meursault Perrieres(ペリエール)  0.75haの畑。2週間前にビン詰め。 2003 Meursault Clos de la Barre  10日後に最後の清澄作業をする予定。 2003 Meursault Charmes  例年は40樽のところ、2003年は猛暑のため14樽しかできなかったとのこと。

お昼もだいぶ過ぎたところで、ランチタイムです。 1階に上がると、発酵用のステンレスタンクの前のちょっとしたスペースにテーブルクロスを掛けたビュッフェテーブルができていました。 食前酒は「Meursault Clos de la Barre 1989」、しかもクロ・ド・ラ・バールの畑の中で・・・食前酒から心がもういっぱいです。 グラスの中のワインは黄金色に輝いていました。 食事と一緒に「Meursault Charmes 1995」と「Volnay Santenots du Milieu(Magnum) 1991」も堪能して、空ビンにドミニクさんのサインをいただき、コルクと共にお土産にしてしまいました。大満足!  食後はムルソーの一級畑へと向かいます。 「畑での仕事」に力を注ぎ、数年前からビオディナミを取り入れてきた結果、土がとても健康的。 同じ一級畑でも、化学肥料を使っている隣の畑は雑草もなく、土はまるでアスファルトのようにカチカチ、お隣同士で対照的な状況です。 バクテリアや小さな昆虫(いろいろな模様のテントウ虫をよく見ました。)が生きている畑は土がフカフカで、両手ですくえるほどです。「しかも、土のい~匂いがするんだ!」とその両手の中に顔をうずめるドミニクさん。 1日の中で畑にいる時間が一番長い、と言われるだけあって、その手は大きくて指もゴツゴツした”職人さんの手”でした。 何カ所かの畑の見学を済ませると、すでに5時半。 ずいぶん長い時間を畑で過ごしたのも、ラフォン氏の「良いワインを造るというのは、良い土を育てるということ。健康な土からは自然と良いブドウが生まれる。」というポリシーを受け止めるための時間だったのです。 「ワインは製品ではなく農産物である」といわれるゆえんが、よく理解できたとても有意義な訪問でした。 今後とも益々のご活躍、お祈りしています!

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