「サン・テミリオンのシンデレラワイン」と呼ばれている、シャトー・ヴァランドロー。驚くほど豊かな果実味と滑らかな舌触りを持つ余韻の非常に長いワインです。
~ロバート・M・パーカーJr. 【ボルドー第4版】より抜粋~ 執念深く生真面目、非常に才能ある所有者のジャン=リュック・テュヌヴァンは、彼の清澄・濾過処理をしない、際立ってリッチなヴァランドローが獲得している評判と価格に、今ではチェシャー猫のようなにやにや笑いを浮かべている。テュヌヴァンは夫人のミュリエルと共に、サン=テミリオンの厳選した区画に、ちっぽけなシャトーを設立した。サン=ミリオンでワイン・ショップとレストラン経営の経験を持ち、ワインの取引に関わってきたことは、テュヌヴァンの偉大なワインづくりのための哲学をいささかも損なうことはなかった。 ヴァランドローがどのくらいよく熟成するか、一般の評価はもちろんまだだが、ワインの途方もなくリッチで、凝縮感があり、すばらしくくっきりした輪郭がある。1994年、1993年、1992年といったコレクターが、サン=テミリオンのどのシャトーのワインよりも探し回る小さな宝物となった。テュヌヴァンをを批判する声は耐えないが(多くはボルドーの貴族的なシャトーの嫉妬である)、彼の影響力は広大し続けている。彼は最も引っ張りだこのコンサルタントの1人であり、秀逸さへの執心とこだわりは、彼の途方もない味覚(同じぐらい才能のある彼の妻の助けが大きい)と共に、サン=テミリオンとその衛星地区の多くの凡庸なワインをよみがえらせていた。品質にこだわる消費者の意識に、これらのワインを最も人気のあるものとして植えつけたのである。 テュヌヴァンは、ミシェル・ロランと並んで、新しい世代のヴィニュロンたちに対し、もっともっと高い品質のワインをつくるよう刺激を与えてきた人物である。そのおかげで、ボルドー全体が多大な恩恵にあずかっている。 ※ラベル上部にシミや汚れが付着しておりますが経過年によるものです。