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イタリアワインは難しい!?


この業界にいると、『イタリアワインは分かりにくい』という言葉を同業者やお客様からよく耳にします。そのワケは、飲むにはとても美味しいものが多いイタリアワインですが、知識を持とうと勉強すればするほど理解しにくい要素を持っていることが分かり始めるからなのです。

イタリアはエノートリア・テルス(=ワインの大地)と呼ばれているように、全土でブドウ栽培がなされています。その数20州(フランスの主要な産地は10地方)、そしてそれぞれの州が土着の品種を使い、独特な味わい、風味のワインを生み出しています。例えばカベルネやメルロ、シャルドネは世界中で栽培され、その土地の気候風土を反映したワインを飲み比べることが出来ますが、イタリアの品種は何故かサンジョヴェーゼやネッビオーロのような有名な品種でも他の国で出会うことは多くありません。

土着品種ならなおさらです。それほどイタリアの品種はイタリアの気候風土に根ざしており、イタリア国内で独特の発展をして他と比べようの無い個性を持つようになったと考えられます。

そして1963年、ワインの品質の向上や産地統制を行うためイタリア政府は、フランスに倣いワイン法を制定しましたが、キャンティのように造り手によってピンからキリまであるワインに最高格付けのD.O.C.G.を与え(当時イタリアで一番有名だったワインに最高格付けを与え輸出拡大を図ろうとした・・・という話もあったようです)、品質向上に燃えるあまり、カベルネやメルロなど他国の品種を栽培し使用したワインには、ヴィノ・ダ・ターヴォラ(テーブルワイン)という最低の格付けを与えるという品質を無視した矛盾を生み出してしまいました。

今ではそれらの問題は飲み手の理解もあり解消に向かっていますが、イタリアワインを難しくしている原因がもう一つ。それは『ラベルを見ても産地、使用品種、味わいが全く分からないものが多い』という現状です。D.O.C.G.格付けの1ランク下のD.O.C.格付けも使用品種など規定されていますが現在300銘柄近くに上り、しかも土着の品種が多く、それら全てを覚えるのは至難の業となっています。。。

いくらワイン販売の資格をもった人間でも、イタリアワインの情報はインターネット、雑誌、輸入業者の資料などを駆使しなければならない時代になったのです。

と、言うように、知ろうとすればするほど遠くへ行ってしまうようなイタリアワインですが、なにはともあれ価格を問わず『美味しい』ものが多いことは言い切れます!難しく考えず、陽気に、あっけらかんと目の前のワインを楽しめば良いのかと最近山岡は考えるようになりました。。。ということで、お題の答えは、『難しいけど、考え過ぎずに楽しく飲もう!』にてまとめさせていただきますm(__)m

(補足ですが・・・グラン・ヴァンにある商品はスタッフが試飲会に参加したり資料を読んで勉強していますので遠慮なく質問や疑問をぶつけて下さいね!)


グラン・ヴァン18区 幟町店

山岡 英樹


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