■「フランスワイン紀行 vol.1」
マコネーの新しいコント・ラフォン「Domaine des Heritiers du Comtes Lafon」 byソムリエール原田
ブルゴーニュは、やっと夏。そんな日和の7月、ラングトックを出発し、左手にシャトーヌフ・デュ・パプの丘、エルミタージュの畑を眺めながらD7を北上。途中アビニョン、リヨンの街を経由して、今日はブルゴーニュへと向かいます。 ムルソーの伯爵、ドミニク・ラフォン氏が経営するマコネー地区の、ドメーヌ・ゼリティエ・デュ・コント・ラフォン(Domaine des Heritiers du Comtes Lafon)を訪れました。 ドメーヌ・ゼリティエ・デュ・コント・ラフォンは、ミリィ・ラマルティーヌに1999年8月に設立されたワイナリーです。出迎えてくれたのは醸造責任者のエシュリオさん、実は彼は3週間後に定年を迎えるので、跡継ぎの息子さんへの引き継ぎで、現在大忙しだそうです。 間もなくすると、ムルソーから駆けつけてくれたドミニク・ラフォンさん登場!お目にかかれて感激!!やっぱりカッコいい!!!
まずはドミニクさんの案内で、ワイナリーの横にある畑を見学します。 約10haの畑は2年前からビオディナミを手がけ始め、2~3年中には100%取り入れたいとのこと。この日はあいにくの雨で、小高い丘のふところに広がるマコン・ミリィの畑を遠くから眺めただけで、早々にワイナリーにもどりました。 ワイナリーはこじんまりとしていますが、最新の設備が揃っていて、特に600hlの大樽が並ぶカーヴは圧巻です。コント・ラフォンのムルソーとの絶対的な違いはその生産量で、また、大樽を使い、熟成期間も12ケ月(ムルソーは18~24ケ月)と短いのは濃厚さを醍醐味にしているムルソーと違い、マコンはフルーティさを出すためだそうです。 生産量も多くリーズナブルなこのマコンは、日常飲める身近な「コント・ラフォン」なのです。 下記のリストは、カーヴの中でテイスティングしたワイン達です。 2002 Macon 1haの畑、ステンレス発酵、瓶詰めは翌年7月、ミネラル香とフルーティさが特徴。 2002 Macon Milly-Lamartine(ミリィ・ラマルティーヌ) 4.5haの畑、大樽発酵、1年樽熟成、瓶詰めは翌年9月、花の香りとピュアなフルーティさは日本料理にも合う。 2002 Macon "Bussieres"(ビュシェール) 80aの熟成の早い単一畑、大樽発酵、繊細でデリケート、リンゴの蜜の香り。(キッシュとかに合うかも…) 2002 Macon Milly-Lamartine "Clos du Four"(クロ・デュ・フール) 1.3haの畑、11ケ月樽熟成、瓶詰めは翌年9月、洋梨、熟した果実の香り。 2002年ものは、そろそろこのマコン地区の風土にも慣れて、満足のいくとても良いワインができたそうです。 2003年はマコン以外はまだ瓶詰めされていないので、すべて樽から出していただきました。 2003 Macon 収穫も瓶詰め(5月)も早かったが、生産量は少なく800ケース。 2003 Macon Village ウシジ村とシャルドネ村の1.8haの新しい畑、まろやかでやさしい味わい。 2003 Macon Milly-Lamartine 瓶詰めは今年の9月の予定、ミネラル香、柑橘系の酸味がある。 2003 Macon "Bussieres" 2003 Macon Uchizy "Les Maranches"(ウシジ村 レ・マロンシュ) 2.5haの畑、アルコール度が高くパワフル、酵母の香り。 2003 Macon Chardonney "Clos de la Crochette"(シャルドネ村 クロ・ド・ラ・クロシェット) 樹齢15年の2.6haの畑、大樽と小樽を半々で使う、瓶詰めは今月、シャルドネ村のワインはエレガントに仕上がる。 2003 Macon Milly-Lamartine "Clos du Four" シュルリー製法ですっきりとした仕上がり。 それぞれに思いを込めた素晴らしいマコン達でした。ごちそうさま… テイスティングを済ませて、いよいよ本拠地ムルソーの研修です。ワクワクします!(次号につづく)